健康

【亜鉛摂取で女性の悩みを解決!】性機能と不妊について

亜鉛について色々と書いてきましたが,今回は【亜鉛と性】について話していこうと思います。

この記事を書いている私は,現役パーソナルトレーナーで,医療機関でリハビリテーションとしても働いています。栄養やトレーニング論を専門とします。

亜鉛は,鉄についで体内で多いミネラルです。
そして,ミネラルの中でもごく少量しか存在しないものを「微量元素」と呼び,亜鉛は微量元素に含まれています。

そのため,微量にしか存在しないため,不足すると大きな影響も出ますし,過剰に摂取しすぎても困ります。

常に適量を心がけて摂取することで,体内に良い効果を与えてくれます。

本記事の内容

・亜鉛のおさらい
・日本人は亜鉛不足
・亜鉛と性の関係
・亜鉛欠乏症
・多く含まれる食品

亜鉛のおさらい

体内には2gほどの亜鉛が存在すると言われています。
かなり微量しか存在しないため,ミネラルの中でも「微量元素」と呼ばれています。

鉄に次いで,体内に多い微量元素が亜鉛であるため,亜鉛が不足することで様々な症状が出現してしまうのは,簡単に想像できるはずです。それほど,亜鉛は体内にとって必要な栄養素です。

日本人は亜鉛不足


現代の女性は「亜鉛不足」と言われています。
とくに働いている女性の亜鉛不足が顕著であり,仕事で忙しい女性ほど,亜鉛を摂取しにくい傾向にあります。

女性は不足しやすく,約77%の女性が「亜鉛不足」と言われています。

不足しやすいタイプ
・タバコ,飲酒が多い人
・コンビニ食が多い
・睡眠

タバコ,飲酒が多い人

タバコや飲酒ではビタミンが消費しやすいことは,ご存知の方も多いはず。しかし,ビタミンだけでなく「亜鉛」も同時に消費しやすいんです。

コンビニ食が多い

そもそも,コンビニ食,ファーストフード,加工食品といったものは,亜鉛が多く含まれていません。

亜鉛が多く含まれている食べ物は,魚介類,肉類であり,出来合いのものでは,多くを摂取できないため,意識して新鮮な食材を選ぶ必要があります。

睡眠

ある報告では,亜鉛を多く摂取している群は,摂取していない群と比較して,ノンレム睡眠の長さに違いが見られました。もちろん,亜鉛を多く摂取した群が,より多く睡眠を確保できます。

そのため,睡眠不足を感じている人は,亜鉛の摂取も低下している可能性もあります。

これらの項目に該当する方は,おそらく亜鉛不足でしょう。みなさんも77%のうちの一人に入っている可能性があります。

亜鉛と性の関係

性機能は私たちが本来持っている機能です。
その機能を正常に作用させるには「亜鉛」の存在はきっても切り離せません。

また,性機能に必要なミネラルといえば「亜鉛」と言っても過言ではありません。
一般的には,亜鉛=セックスミネラルと呼ばれるほど,亜鉛の作用と,性機能は密接な関係があります。

先ほども述べたように,亜鉛不足から健康被害や,不妊といった幅広い影響を及ぼします。男性の場合は,精子の運動率が30%に満たない男性も3割と言われているため,亜鉛不足は気にして欲しい点です。

    亜鉛の効果
    ・排卵,着床に関与するホルモン合成に必要
    ・男性の場合は精子形成,発育

女性にとっては大切な排卵,妊娠するときに起きる着床。これらの現象が起きる時には,ホルモンが関係します。

排卵・着床に関係するホルモン
・エストロゲン
・プロゲステロン
・甲状腺ホルモン
・インスリン

エストロゲン

下垂体から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)。

作用
・乳腺細胞の増殖促進
・卵巣排卵制御
・脂質代謝制御

簡単にいうと,子宮内膜を増殖させて厚くする働きがあります。月経をコントロールしているため,亜鉛が不足すると「月経不順」になりやすい,とまでいわれています。

プロゲステロン

こちらも脳下垂体から分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)。排卵前に分泌さて,卵巣で成熟した卵胞を刺激して排卵を促します。

甲状腺ホルモン

脳下垂体から分泌される甲状腺ホルモン。主に新陳代謝を促すホルモンで,体を成長させたり,基礎代謝をコントロール,古くなった細胞を新しくする作用があります。

インスリン

インスリンと共に分泌される膵臓からの「β細胞」というものがあります。このβ細胞は亜鉛と非常に重要な役割を担っていることが近年わかってきました。

(前略)インスリンとともに「膵β細胞」から分泌される亜鉛が,肝臓を通って全身に送られるインスリン量を決める仕組みを解明したと発表した。膵β細胞内の亜鉛濃度を制御するタンパク質の働きを高める薬を開発すれば,2型糖尿病の新しい治療法になる可能性がある。(後略)

つまり亜鉛が不足することで,インスリンの分泌量までを左右する可能性もあり,血糖のコントロールという視点からも亜鉛は不可欠なのです。

性とは切り離せない

これらのように,性ホルモン分泌と亜鉛には密接な関係があります。とくに排卵や着床に至るまでに,亜鉛がホルモン分泌に関与しているため,適切に摂取しておきたいです。

・月経不順
・不妊

女性特有の悩みは亜鉛不足から来るのでは?

さらに,妊娠してからも胎児の成長に関わっており,とくに胎児は目まぐるしく細胞分裂をする中で亜鉛の力が必要になってきます。

※亜鉛は,DNAの合成にも必要。

とくに妊娠初期〜後期にかけての妊婦の血液中に亜鉛濃度は低下傾向にあります。
妊婦として生活する場面でも,胎児への栄養として「亜鉛」は必須なのです。

もちろん,これから子供がほしい,パートナーとの生活を楽しみたい方は,是非,検討してみてください。

不足状態が長引くと…

1日不足したからといって,急激にどうこうなる栄養素ではありませんが,次の人は注意が必要です。

・慢性的に亜鉛不足な人
・妊娠している人
・栄養状態を気にしていない人

とくに慢性的に亜鉛が不足している状態が危険です。

悪循環ループ
①亜鉛不足
②活力・認知機能低下
③うつ傾向
④食欲不振
⑤体調不良…

こう言った可能性もあります。
活力はもちろん人間の素質な部分もありますが,気力では補えません。どんなに元気な人でも,何も食べなければ元気はないです。亜鉛も同じです。

亜鉛欠乏症


亜鉛酵素のアルカリフォスファターゼ(ALP)は亜鉛欠乏の目安です。

アルカリフォスファターゼの血清
正常値:130〜300(IU/l)

肝臓や胆道系の異常があれば高値になりますが,低値の場合には亜鉛欠乏を疑います。

多く含まれる食品

亜鉛が多く含まれる食品は,魚介類・肉類に含まれています。とくに牡蠣に多く含まれており,うなぎの蒲焼きにも多く含まています。

100g中の亜鉛
牡蠣    :14.5mg
うなぎ蒲焼き:2.7mg

サプリメントでは,1粒10mgで摂取できるものが多く,不足しがちな亜鉛はサプリメントからの摂取もおすすめします。

こちらの記事を参考にしていただき,是非,亜鉛不足で生活を変えていけるようになればと思っています。

本日はここまでにします。