女性「献血に行ってハガキが来たけど,見方がわかんない。」
こういった疑問にお答えします。
Taka「この記事を書いている私は,現役パーソナルトレーナーで,医療機関でリハビリテーションとしても働いています。栄養やトレーニング論を専門とします。」
献血に行くことで後日ハガキが送られてきます。その中には,献血の際に採血した血液データが記載されています。
本来血液データは,病院や健康診断といった特別な時でないと受けることができませんが,献血だと無料で血液データを調べることができます。これを使わない手はありません。
自分の血液データを知ることで,「どれほど健康なのか」といったことがわかるため,ハッキリ言って知らないと損です。今回は,実際の血液データからわかることを話していこうと思います。
本記事の内容
・献血すると送られてくるハガキ
・検査結果からわかること
・生化学検査
・血球計数検査
・web上での検査結果の見方
献血すると送られてくるハガキ
もし,あなたが献血をしたとします。すると後日,日本赤十字社からこんなハガキが送られてきます。この中には献血ルームで行った採血のデータが記載されています。
大方の方がちらっと見てすぐに捨てるかと思いますが,個人的にはもったいない!と思っています。
採血データってパッと見て,この数値がどうのこうので,っていうのはわからないと思いますが,これを見たいと思ったらわざわざ病院に行って採血してお金払って…っていう手順を踏む必要があります。
ですが献血なら,無料で採血して血液データを自宅まで郵送してくれます。しかも,ハガキには丁寧に基準値や過去5回分くらいの採血データまで記載されていているので,健康を管理するにはとても優れているのです。
病院でもここまではしてくれません。献血をすることで人の役にも立ちますし,自分の健康を気にしているのなら,献血で定期的に採血をしてもらうのがいいと思いますよ。
書いていある内容
- 献血から送られてくるハガキ
- 過去5回分の採血結果が記載
- 血液の基準値まで記載されている
検査結果からわかること
採血した血液データからわかることは,後述する【生化学検査】【血球計数検査】からわかります。これらの数値から自分の健康状態がある程度わかるため,不調や疲労といったことが数値化して知ることができます。
わかること
・体の不調 ・疲労 ・病気 ・健康
こういったことは「体調」として片づけられやすいですが,その体調は血液データからも知ることができます。
実際,病院では不調が続くと採血をして,そのデータからどこから内臓が悪くないか?といったことを医者が判断します。それくらい血液データは重要なのです。
こうしたデータから自分が健康かを知ることができるため,上手く活用すると良いでしょう。
生化学検査
- ALT(GPT)
- γ-GTP
- 総蛋白(TP)
- アルブミン(ALB)
- アルブミン対グロブリン比(A/G)
- コレステロール(CHOL)
- グリコアルブミン(GA)
ここでわかるのは,疲労具合や全身状態,内臓(肝臓,膵臓)の働き具合について知ることができます。
内臓というのは,目に見えるものではないので,血液検査からでないとわかりません。体に反応が起きた時には重症化していることが多いので気をつけてください。
ちなみに肝臓が悪くなると黄疸といって目が黄色くなります。
ALT(GPT)
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
基準値 | 男性:10〜42U/L 女性:7〜23U/L |
ALTは肝臓に最も多く存在します。次いで腎臓に,肝臓の1/3程度のALTが存在しますが,それ以外の組織には存在しません。
肝細胞が破壊されると血液中に流れ出すので,数値が上々したら急性肝炎,脂肪肝などが疑われます。また,激しい運動のあとにも一時的に上昇していることもあります。
γ-GTP
γグルタミルトランスペプチターゼ
基準値 | 男性:13〜64U/L 女性:9〜32U/L |
肝臓,胆道に多く存在します。数値が上昇していると,骨疾患,アルコール性肝障害,肝炎,肝担道系疾患が疑われます。アルコールを飲みすぎることで一時的に上昇することもあるため,そのときは禁酒をしましょう。
総蛋白(TP)
基準値 | 6.5〜8.2g/dL |
血液中には100種類以上のタンパク質が存在します。血液中のすべてのタンパク質の総和がTPです。これらはすべて重要で,生命維持の重要な役割を担っています。
基準値を下回ると,低栄養,免疫不全疾患など。基準値以上だと肝硬変や肝炎が疑われます。TPだけでは病気を特定できないので更なる検査が必要になります。
アルブミン(ALB)
基準値 | 4.1〜5.1g/dL |
血清蛋白(TP)の50%以上を占めるため,栄養状態が悪くなると低下することが多いです。そのため,全身状態を総合的に判断するにはアルブミンが最適です。
多くは肝臓で生成されるため,こちらも数値が上昇すると肝臓の病気が疑われます。
アルブミン対グロブリン比(A/G)
基準値 | 1.3〜2.1 |
血清蛋白はアルブミンとグロブリンが主成分で,この二つには比率があります。アルブミン(70%),グロブリン(20%)となっており,この数値が崩れると病気になる可能性は高いです。
コレステロール(CHOL)
基準値 | 140〜259mg/dL |
皆さんご存知のコレステロールですね。脂肪の多い食事を取り続けると,この数値は上昇します。コレステロール値が上昇すると,動脈硬化のリスクも上昇します。
グリコアルブミン(GA)
基準値 | 11〜16% |
過去17日間の血糖の平均値を反映しています。数値が高いほど,血糖コントロールは不良であり,基準値に近いほど良好。
糖尿病の人は,基準値より上昇していることが多いです。
血球計数検査
それぞれ血液に含まれる血清の量や数を知ることができます。
赤血球数(RBC)
基準値 | 男性:418〜560万個 女性:380〜500万個 |
血液の主成分のひとつです。酸素を運ぶ働きがあり,数値が低いと貧血が起こりやすいです。
ヘモグロビン量(Hb)
基準値 | 12.7~ 17.0 g/dL |
赤血球の主要な構成要素です。酸素を体内に運ぶ役割があるのは,血液の中のヘモグロビンによるものです。ヘモグロビンが低いと,貧血が起こりやすいです。
ヘマトクリット値(Ht)
基準値 | 男性:40〜50% 女性:35〜45% |
血液に占める赤血球の割合(容積)を表したもの。貧血を判断するのに用いられます。
平均赤血球容積(MCV)
基準値 | 80〜100fl |
簡単にいうと,赤血球の大きさを表します。赤血球数とヘマトクリット値から算出した数字です。
この数値内に収まっていれば正球性貧血と呼びます。大きいと大球性貧血,小さいと小球性貧血です。数値が大きくても赤血球を作る上で必要なビタミンが不足していることもあるので,注意が必要です。
平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)
基準値 | 26.8〜33.5pg |
赤血球1個あたりに含まれるヘモグロビン量を表したものです。
平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)
基準値 | 30.2〜35.1% |
血中に含まれる赤血球1個に含まれるヘモグロビンの濃度を表します。
MCV,MCH,MCHCのそれぞれを総合的に判断して貧血かどうかを判断していきます。
白血球数(WBC)
基準値 | 3500~9000/μl |
血液の好中球や好酸球,リンパ球などの総称。体の免疫系に作用しており,細菌やウイルスが侵入すると微生物を取り組んで破壊したりする作用があり,とても重要な役割をします。
数値が低下すると免疫力が低下している証拠で,骨髄の病気や白血球を壊す脾臓の機能亢進も疑われます。
また怪我をすると体は炎症し,白血球数の数値は上昇します。
血小板数(PLT)
基準値 | 15万~35万/μl |
血小板は,出血したときに血を止めてくれる役割があります。そのため,低すぎると血が止まらなかったり,高すぎると血が固まりすぎて血栓ができやすくなります。
web上での検査結果の見方
今はハガキだけでなく,webでも献血結果を見ることができます。
そのために,まずは1回でも献血をする必要があります。献血をすると,献血カードを貰えるのでそこから簡単に登録することができます。
その後,日本赤十字社の献血webサービスにアクセスし,献血者コードとパスワードを入力するだけです。
今まではハガキを保管して記録していましたが,これからはマイページから自分の数値を経過として追うことができるため,かなり便利です。
活用していない人は,是非使ってみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
献血をすることで無料で採血結果を知ることができます。人助けにもなりますし,是非ともやってほしいですね。
本日はここまでにします。
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