トレーニング

【HMBは筋トレに効果があるのか】ボディメイクにもオススメ

女性「HMBってなんですか?」

こういった疑問にお答えします。

Taka「この記事を書いている私は,現役パーソナルトレーナーで,医療機関でリハビリテーションとしても働いています。栄養やトレーニング論を専門とします。」

HMBは必須アミノ酸のロイシンの代謝物です。タンパク質の合成を促進してくれ,筋肉の分解を抑制してくれる効果があります。元々ボディビルやスポーツ選手のような筋肉をつけたい人が愛用していました。

近年ではエビデンス(根拠)のある報告も多く,筋トレ好きやボディメイク,医療分野のリハビリテーションでも使われるようになってきました。

海外で人気でしたが,日本では2010年頃から販売・流通してきています。運動効果を出したい人や,あまり運動をしないが筋力低下を防ぎたいといった主婦の方にもおすすめなサプリメントです。

本記事の内容

・HMBとは
・HMBを食事から取ろうとすると
・HMBと筋トレの関係
・運動しない人にもおすすめ
・HMBだけ飲めばいい?
・HMBの値段や味

HMBとは

HMBについての説明
    HMB:β-Hydroxy-β-MethylButyrate
    ベータ・ヒドロキシ・ベータ・メチル酪酸
    日本名で「3-ヒドロキシイソ吉草酸」

筋肉をつけるにはプロテインが主流でしたが,近年ではBCAAやアルギニン,ビタミンといったサプリメントが愛用されるようになっています。その中でもアミノ酸は,タンパク質の最終形態で吸収率がよく,サプリメントとしては最適です。

HMBは必須アミノ酸,BCAAの中のロイシンが体内で分解されてできる代謝物のこと。

・ロイシンの5%がHMB

ロイシンを摂取し,その5%がHMBに変換されるため,10gのロイシンを摂ったとしてもわずか0.5gほどしかHMBになりません。

HMBの働き

  • 筋タンパク質の合成を促進
  • 筋分解の抑制

HMBの中心的な役割が,①タンパク質の合成を促進,②筋分解の抑制です。

後述しますが,タンパク質の合成を促進する働きは運動(筋トレやスポーツ)との関係が多く報告されています。運動をする人はHMBのサプリメントを摂取することで相乗効果が期待できます。

HMBのもうひとつの優れている点が,筋分解の抑制効果が期待できることです。これは運動をしていない人にも効果があるため,筋力不足が気になる中年以降や女性の方には重要なアミノ酸になります。

HMBを食事から取ろうとすると


ロイシンを摂取しても,わずか5%しかHMBが変換されません。食事で置き換えると,かなり膨大な量を摂る必要があります。

例えばHMB:1.2g摂取しようとすると以下のものを食べる必要があります。

卵 :33個
牛乳:8.5L

これほどの量は摂取できないですね。
そのため,サプリメントから摂取することが一番効率的とされています。サプリメントでは,必要量が多く含まれたものが多く販売されているためおすすめです。

1日の摂取量目安

摂取量目安:1.6〜3g

摂取タイミング

運動する人  :運動60分前に飲みます。
運動をしない人:朝昼夕に分割

運動をしない人は分けて飲むことがおすすめです。朝昼夕に飲むようにしましょう。

副作用

現在のところ副作用は報告されていません。
摂取量内での摂取に留めましょう。

HMBと筋トレの関係

(前略)19〜29歳の健常な男性 41 名(対照群13名,HMB1.2g/日の介入群13名,HMB2.4g/日の介入群15名)を対象としてHMB,またはプラセボを3週間摂取させたレジスタンストレーニングを伴うRCTの結果を報告した。介入群では3週間後の除脂肪体重が対照群と比較して増加の傾向を示し,筋力が有意に増加した。(後略)

HMBを1.2g〜2.4gのHMB摂取にて,除脂肪(脂肪除いた)体重が増加した報告があります。除脂肪とは,脂肪を除いた数値のため筋肉と捉えてもらっていいです。このようにHMBの効果を報告する論文が増えてきています。

この論文でのHMBの摂取量は1.2g〜2.4gとされているため,この範囲でも十分効果があるといえます。また,他の報告では「3g摂取」した場合には最大の効果が発揮されたとも言われており,最大摂取量の3gはとっても良いです。

サプリメントでも3gを摂取するように勧めているものもあるため,2〜3gが適切な摂取量です。

また,ここでの大切な点がHMBと運動を行なっている点です。HMBは運動を一緒に行うことで効果を発揮しやすとの報告が多いため,運動との併用をお勧めします。

運動しない人にもおすすめ

(前略)HMBの1.2g/日摂取には,筋肉量や筋力の低下を抑制する働きがあり,自立した日常生活を送る上で必要な,筋肉量や筋力の維持に役立つ機能があることが示唆された。(後略)

HMBの良い点は「筋分解の抑制」をしてくれる点です。

私たちの体は日々,筋肉の合成と分解を行っており,これは生きている以上仕方がないことです。HMBでは,「ユビキチンプロテアソーム系」と呼ばれる代謝経路のタンパク質分解を抑制してくれる働きをもっており,運動や日々の生活で分解されるタンパク質の分解を抑えてくれます。

そのため,上記の報告のように運動をしていなくても筋肉量を維持してくれるといった効果も期待できるため,何もしていない人でも飲んでみるのがよいでしょう。

※だからといって運動をしない理由にはなりません。

HMBだけ飲めばいい?


じゃあHMBは最強ではないか,といわれますがそうでもありません。

HMBは,ロイシンの代謝物であり,シグナル伝達経路の「mTOR」を活性化する働きがあります。そのため,HMBだけ摂取していても筋肉の材料となるタンパク質をバランスよく摂取していないと,筋肉はできません。

あくまで3食しっかり食べて,それに合わせてHMBを摂ることで最大の効果を期待できるものです。HMBだけでは最大限の効果を期待できないでしょう。

HMBの値段や味

値段

ロイシンから5%ほどしか摂取できないため,値段も他のサプリメントより少し高い設定となります。けれど最近では安価になっているものもあり,手に入れやすいでしょう。

私の経験上ですが,ノンフレーバー単体で飲むと苦味が強いです。ビルダー飲み(直接口に粉を入れ,後から水を飲む)はかなり苦しいです。味がついたものも売られているため,そちらをおすすめします。もしくはタブレットタイプが飲みやすく,こちらもおすすめです。

HMBは,あくまで運動や食事をしっかり摂っていることで効果を発揮します。食事が偏っていたり,運動を全くしない,動かない人にとっては効果は薄くなるでしょう。
まずはご自身の食生活を見直すところから始めましょう。