健康

【BMAL1とは】夜勤帯の食事は避ける|太る細胞は夜に増える

「夜遅くにご飯を食べると太りやすいから,食事は18時までがいいよ」という会話を聞いたことがあると思います。

実はそれ,医学的にも正しい情報だったんです。
「時計遺伝子」と言われる遺伝子群の働きで,脂肪を溜め込む時間帯が夜に集中するからなんです。

BMAL1は昼に少なく夜に活動的になるため,もしご飯やお菓子を食べたいなら日中に食べておくことが大切です。そうすることでBMAL1の活動が少ないため,脂肪を取り込む割合も減ります。

からだのリズムに合わせながら食事を摂ることで,からだに負担をかけずに過ごすことができます。

この記事について

・時計遺伝子とは
・BMAL1とは
・DIT(食事誘発性熱産生)との関連
・食事をする上で注意する点

時計遺伝子とは

    時計遺伝子
    概日リズムをつかさどる遺伝子群を指す。

概日リズムは,体内時計とも言われています。
つまり私たちは24時間周期で動いており,夜になったら眠くなり,日が昇ると朝起きるように遺伝子で決まっているのです。
太陽の光だけでなく,ホルモンや体温維持,細胞の働きも基本的には24時間の周期で働いており,人により差はあるものの平均して24時間15分と決まっています。

時差ぼけ

概日リズムの乱れで有名なのが,時差ぼけでしょう。
時差ぼけは飛行機で海外に行く時,体内時計と現地の生活時間のズレから起こります。
ひとは24時間周期で動いているため,海外に行くと1日が短くなったり長くなったりします。すると概日リズムが乱れ,さまざまな症状が起こります。

それほど人は24時間という周期で縛られており,遺伝子の細胞レベルで規則正しい生活を送る必要があります。

また概日リズムの乱れによって,様々な悪い影響が体では起きてしまいます。

短期的な概日リズムの乱れ
・不眠
・疲労
・ぼーっとする

海外旅行のような短い概日リズムの乱れでは,それほど悪影響はありません。
睡眠をしっかりと取ることで解決できるでしょう。

長期的な概日リズムの乱れ
・肥満
・メタボリックシンドローム
・糖尿病

一方で比較的長期間におよぶ概日リズムの乱れは,一時的ではなく病気として症状に現れます。

昼夜逆転の生活をしている人や夜勤帯の仕事がある人は,どうしても夜に起きたり食事をしてしまう生活習慣がついてしまいます。

そういった仕事で起きていなければいけない人は,次章の注意点に気をつけてください。

BMAL1とは


概日リズムの乱れであらゆる症状が出ることはお話ししました。
では具体的にどういった物質が太らせてしまうかというと,BMAL1という時計遺伝子による作用なんです。

    BMAL1(ビーマルワン)
    ・時計遺伝子で脂肪の合成に関わるタンパク質
    ・昼に少なく,夜に増加する性質がある

BMAL1の増加100が最高だとすると,PM2時が0で,AM2時では100となります。つまりは夜中2時頃の食事が多い夜型の人や夜勤帯の人は,脂肪の合成も高くなりやすいんです。

仕事で仕方がないからといって,夜中についつい間食をしてしまうと,日中に比べ太りやすいことがわかりますよね。

BMAL1という時計遺伝子があるように,人は夜に寝て,朝目覚めるように作られています。
この生活リズムを崩した状態での生活はカラダに負担をかけて,体型や体調にまで影響を与えてしまいます。

DIT(食事誘発性熱産生)との関連

DIT(食事誘発性熱産生)
食べ物の分解・吸収によって起きる熱産生のことで,食後にも持続して代謝が起こることをいいます。

DITは代謝の10%を占めますが,これは一定ではありません。
1日を通して朝昼の代謝量が多いことがわかっており,逆に夜には代謝量が減ってしまいます。夜に代謝量が減ってしまうのは,BMAL1の脂肪合成の時間帯と重なることも影響があります。

代謝の観点からも夜中に食事をするのは肥満へのリスクがあり,できるだけさけるのが良いでしょう。

食事をする上で注意する点


夜に眠れない夜型の人は,まずは夜に眠れる工夫をしましょう。

・寝る2時間前にお風呂に入る
・軽いストレッチをする
・スマートフォンやパソコンは1時間前には使わない

副交感神経を優位にして,できるだけ夜更かしはやめます。

問題は夜勤帯に仕事をしている方たちです。
夜勤帯のひとたちはどうしても,夜ご飯を食べてから朝まで起きている時間が長いです。そのため仮眠があったとしても確実に空腹で,何か食べてしまうことでしょう。

そこは避けられない部分であり,工夫することが大切です。

注意点
・お菓子の炭水化物は避ける(とくにチョコレート)
・人工甘味料の入った飲料は避ける
工夫点
・食物繊維が豊富な食品を選ぶ
・タンパク質が豊富な食品を選ぶ

避けたいとことが甘い炭水化物です。
単糖類に近いほど分解にかかる時間が少なく,すぐに吸収されてしまいます。すると食後のインスリンが分泌されて,脂肪に変わりやすくなるためです。
BMAL1の影響もあり,脂肪合成は普段よりも高いと思い気をつけることが必要です。

そのため,できるだけ腹持ちのよい食物繊維やタンパク質が豊富な食べ物を摂り,夜を乗り越える必要があります。

ポイント
・BMAL1は,夜になるほど危険
・おやつは午後の3時は正解