健康

【食事誘発性熱産生を上げると痩せる】ダイエット効果もある

代謝には3つの代謝があり,それぞれ別の働きをしています。
食事誘発性熱産生とは,食べ物を分解・吸収されるときに発生する代謝のことです。

食べ物を分解・吸収するには消化酵素を分泌したり内臓を動かすことが必要で,それにはエネルギーが欠かせません。エネルギーと引き換えに消化・吸収をしてくれます。

よく食後に体が暖かくなるのは,食事誘発性熱産生のおかげです。温かい食べ物を食べることでも体温は上昇しますが,温かくなくても消化で熱を発生させて体温を上昇してくれます。

あまり知られてはいませんが,これも歴とした代謝です。
「痩せやすいカラダを作るなら基礎代謝をあげる」
と言われていますが,食事誘発性熱産生からでも代謝を上げることができます。

今日は食事誘発性熱産生についてお話しします。

この記事について

・食事誘発性熱産生について
・三大栄養素によって違う
・食事誘発性熱産生を高くするには
・食事から代謝を上げる

食事誘発性熱産生について

食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis)
食事をした後,安静にしていても代謝量が増えること。

「特異動的作用」とも言います。

これは食べ物を分解・吸収する過程で,食べ物の一部が熱となり消費されます。そのため,食事が済んだ後でも体の中では分解・吸収がされているため代謝が増えますし,体温も少しだけ上がります。

また,食後は普段よりも内臓に血流が集中するため,眠くなったり,一時的にぼーっとしやすくもなりやすいです。食事の内容にもよりますが,2〜3時間程度は食べ物を消化しているため普段よりも上がった状態になります。

三大栄養素によって違う


さきほど「食事の内容による」と書きましたが,食べ物によって食事誘発性熱産生の値は変わってきます。どう違うかというと,タンパク質,脂質,炭水化物の三大栄養素によって変わります。

    各々の栄養素のみを摂取した場合のエネルギー割合
    タンパク質:30%
    脂質:6%
    炭水化物:4%

見てわかるようにタンパク質が一番高く,その次に脂質,炭水化物の順で消費量が高いです。つまりタンパク質が多く含まれている食品を取るほど,食事誘発性熱産生が高まり代謝が高まるわけです。

例)タンパク質を400kcal食べた場合,240kcalが代謝として消費されます。
  脂質では100kcal摂取すると,6kcal消費されます。

30%と6%ではかなり数値として大きく,タンパク質を多く摂取することがダイエットにもいいことがわかります。脂質は9kaclと栄養価は高いですが,消費されにくくあまりダイエットには向きません。
タンパク質はここでも優秀な働きをします。

ただし,上記の数字は,それぞれの食品を食べた場合の数値です。一般的にサプリであったとしても「タンパク質だけ」という食品はありません。
基本的に既製品であっても消化・吸収しやすいようにタンパク質・脂質・炭水化物がバランスよく含めれています。

そのため,通常の食事では三大栄養素が混合であり,摂取エネルギーの10%が消費されると考えます。

例)200kcalのおやつからは,20%ほどが代謝として消費される。

食事誘発性熱産生を高くするには

①タンパク質を多く含む食品を摂ること

さきほど説明したように食事誘発性熱産生を高くするには,タンパク質を多く含む食品を積極的に摂ること。混合で10%程度と書きましたが,あくまでバランスよく摂取した場合であり,タンパク質を多く取ればその割合も高まります。

とくに五大タンパク源である,肉類・魚類・豆類・乳製品・卵は,積極的に摂ることでをおすすめします。
他にもプロテインのような補助食品は限りなくタンパク質で作られているため,食事誘発性熱産生の効果があります。

②生姜を多く摂る

ジンゲロールとは生姜に含まれる成分で,摂るとからだを温めてくれる効果があります。冷え性の人が飲むことが多く,からだを温めてくれるため代謝量を上げてくれる効果もあります。サプリメントもあるため,気軽に飲むことができます。

③しっかりと噛む

噛むことで代謝が上がります。
噛むことで唾液が分泌されたり血流が良くなるため,しっかりと噛んで食事をすることで代謝も向上していきます。ペースト状の食事だけでなく,歯応えのある食事を摂ることも大切です。

④朝に食事を摂る

最近では朝食を抜いて仕事に行く人が増えています。
これまでの内容でわかるように,食事からも食事誘発性熱産生として代謝が起こるため1日3回のうちの1回を抜いてしまうと,代謝が落ちてしまいます。
また,1日のうち朝が一番代謝が高く夜に落ちる傾向にあります。そして夜型の人は朝型の人と比べ,食べる時間帯が遅くなるだけで代謝量が低いことが報告されています。代謝をあげたい場合は,朝型にする方がお得です。

⑤軽い運動をする

動くと一番に使われるのは骨格筋ですが,運動していない人は運動している人と比べると食事誘発性熱産生も低下しています。
食事からなのに?という疑問もあると思いますが,やはり運動をすると血流がよくなり内臓の動きも活発になります。運動をしたらお腹も空きますよね。逆に運動をしないとお腹はあまり減らないはず。食事と運動は密接につながっています。

食事から代謝を上げる

食事誘発性熱産生は代謝全体のおよそ10%と代謝の中では低いですが,積もり積もれば山となります。

・運動ができない
・病気や怪我がある
・仕事で忙しい

という方は,食事から内側を変えていくのが良いでしょう。
運動にしろ食事にしろ,からだを変えることは1日ではできません。
こつこつと頑張りましょう。