健康

【卵は何個まで食べていいのか】トレーニング者は必須

「卵は食べすぎると体に良くない」とよく言われます。それは「コレステロール」が多くなり動脈硬化といった病気になりやすいから,という理由でした。

そのため,コレステロールには上限値が設けられていましたが,2015年からはこの数値の上限が撤廃されています。その大きな理由としては,摂取量を減らしたからとってコレステロール値が低下する証拠が十分でないからというものでした。

トレーニングを多くする人たちにとっては,とくに「卵」を多く摂取するひとたちがいて,卵をどれだけ食べていいかは意外と重要な問題です。

コレステロールや卵について今回は書いていきたいと思います。

この記事について

・コレステロールとは
・コレステロールから病気へ
・卵の1日摂取量

コレステロールとは


からだの中には4つの脂質(中性脂肪,コレステロール,リン脂質,遊離脂肪酸)が存在します。それぞれからだの健康を保つ上で重要な役割があり,すべて有害ということではありません。そのため,一定量維持する必要があります。

その中のコレステロールは,高等動物の細胞成分として広く存在する代表的なステロイド化合物の一種です。コレステロールにも種類があり,善玉・悪玉コレステロールといわれる2つのコレステロールがあります。

高密度リポタンパク(high density lipoprotein:HDL)

HDLコレステロール=善玉コレステロールとも呼ばれ,血管の壁に溜まっているコレステロールを肝臓に運ぶ働きがあります。

低密度リポタンパク(low density lipoprotein:LDL)

LDLコレステロール=善玉コレステロールとも呼ばれ,肝臓に蓄積されたコレステロールを体のあちこちに運ぶ働きがあります。

コレステロールの働き

・細胞膜の主要な細胞成分
・性ホルモン,副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン),胆汁酸,ビタミンDの原料

コレステロールは取りすぎると体に悪影響をもたらしますが,少なすぎてもいけません。ホルモンやビタミンとなるため,最低限必要な存在になります。

1日の摂取量

2015年まではコレステロール値の上限を設けていましたが,摂取量を減らすとコレステロール値も減少するとは限らないため,撤廃されました。米国の保健福祉省と農務省が発表した「米国人の食生活に関するガイドライン」,厚生労働省から報告された「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の両者で,コレステロールの摂取制限を設けないとあります。それでもコレステロール値が高い人は摂取しすぎると健康を害するため,取りすぎには注意です。

ほとんどが肝臓から生成

私たちは食事から多くのコレステロールを摂取していると思いまうすが,そのほとんどが体内の肝臓で作られています。食事で摂取しているコレステロールは体内で作られているコレステロールの1/3〜1/7程度です。パーセンテージでいうと20%です。

コレステロールの摂取を過度に控えても,体内での合成が促進されるよう調整されます。反対に食事から摂取したコレステロールが高い場合は,肝臓での生成が抑制するように体が反応します。
私たちは増えても減っても常に一定量になるようバランスよく調整されています。

check
肝臓と小腸:1日に体重1㎏あたり12~13mg

コレステロールからの病気

もちろん摂らなさすぎや,摂りすぎは病気になりやすいため注意が必要です。今の時代では不足することはほとんどなく,摂りすぎに気をつけましょう。

脂質異常症

極端にコレステロール値が多い人のことをいいます。診断基準は以下になります。

高LDLコレステロール血症:140mg/dL以上
低HDLコレステロール血症:40mg//dL未満
高中性脂肪血症     :150mg/dL以上

コレステロールが高すぎると血管に血栓ができ(動脈硬化),それが原因で脳梗塞のような血管の病気にもなりやすいです。コレステロールが低くても同様,がんのリスクが高まるとの報告もあります。

コレステロールが高い食品 100g

1.卵の黄身    :1,400mg
2.ピータン    :680mg
3.あんこうのきも :560mg
4.すじこ     :510mg
5.キャビア    :500mg
6.いくら     :480mg
7.うずらの卵(生):470mg
8.うなぎ(きも) :430mg
9.たまご     :420mg
10.たらこ     :410mg

卵の1日摂取量


「卵が1日何個まで」と言われるようになったのはコレステロールからの問題です。さきほどのグラフからも卵にはコレステロールが豊富に含まれています。とくに黄身には多くのコレステロールが含まれているため病気へのリスクが高いとされていました。

    卵 Lサイズ
    1個:91kcal(卵黄:66kcal,卵白:25kcal)
    タンパク質(卵黄:3g,卵白5.2g)

白身にはコレステロールは含まれていません。
黄身のサイズは全て変わりません。サイズによって変わるのは白身の量になります。

タンパク質が多く含まれるのは,黄身よりも白身です。そしてコレストロテールは白身には含まれないため卵をたくさん食べたいけれどコレステロールが気になる人は,黄身だけを誰かにあげるのもいいかもしれません。

卵の特徴

ビタミンCを除く全ての栄養素が豊富に含まれているのも卵の特徴です。アミノ酸スコアも100であり筋トレをしている人にとっても大切な栄養となるでしょう。

もちろん卵だけを食べていれば良いわけでなく,五大タンパク源をバランスよく摂取するのが一番良いでしょう。

卵は何個食べていい?

コレステロールへの上限が撤廃,つまり摂りすぎによる病気への十分な証拠がないため,卵は何個でも食べていいことになります。しかし,もともと病気をもっていたり,体調が悪い場合,などは医師の指示に従いましょう。
そして卵にはコレステロールが豊富に含まれているため,食べ過ぎはお腹の調子を崩しやすい原因にもなるでしょう。